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パシフィック・リム [アメリカ映画(10s)]

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Pacific Rim(2013)

日本人が見ておくべき作品!

映画界の鬼才ギレルモ・デル・トロ。彼は2004年に驚くべき映画「ヘルボーイ」を制作し、第79回アカデミー賞に多数ノミネート受賞した名作「パンズ・ラビリンス」を監督します。そんな独特の演出力に磨きがかかってきた彼に舞い込んできた仕事は、大作のオファーでした。
それは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの続編となる「ホビット」2部作の監督という仕事です。「ロード・オブ・ザ・リング」のファンも映画ファンも納得のいく監督キャスティングです。あの「パンズ・ラビリンス」の世界観を原作に加えることで素晴らしい映画が出来ると誰もが思い、ワーナーも自信を持ってこの大金をつぎ込むプロジェクトにGOサインを出しました。
それから数年、いっこうに進まない「ホビット」プロジェクトは思いもしないニュースと共に方向転換します。「ホビット」2部作は、3部作となり監督は「ロード・ブ・ザ・リング」シリーズの監督であるピーター・ジャクソンが行うという発表です。発表はギレルモ・デル・トロが監督を解任されたことを意味します。結局「ホビット」はプロデューサー職で現場から一歩身を引くはずだったジャクソンを監督に復帰させデル・トロは、プロダクション・コンサルタントという役職に追いやられてしまいました。この裏事情は、「ホビット」の回で詳しく記します。

彼はクリエイター魂が強くセンシティブな演出家です。彼が悪いわけでもないのにハリウッドの政治に飲み込まれ翻弄される時期が続きます。いきなり10年規模の大プロジェクトから外された形になったギレルモ・デル・トロは、全く違う作品のプロジェクトに関わります。しかし新しいプロジェクトも様々な理由でストップしてしまいました。彼ほどの才能があっても、クリエ一ティブとは異なる映画ビジネスという泥臭い駆け引きにうまく立ち向かわないと辛い人生が続くのでした。

失意の彼にやっと新しいチャンスが訪れます。それはまるで日本のアニメを実写化したような企画「パシフィック・リム」でした。日本のアニメが好きで多大な影響を受けていたデル・トロは、この企画に賭けることにします。それは途方もない世界観、そして新しいビジュアルを構築しないと成功しない危険な賭でもありました。一歩間違えば、正に漫画のようになってしまいチープでつまらない映画になる可能性があります。この作品を成功に導くために必要なのは、デル・トロの演出力とクリエイティビティでした。

原案を思いついたトラビス・ビーチャムがプロデューサーのトーマス・タルに企画を売り込み、デル・トロが加わり企画は一気に動き出します。デル・トロは独創的なアイデアを次々に脚本に織り込み、ビーチャムが持っていなかった要素を付け加えていきました。そして今までに見たことにない新しい脚本とコンセプトが完成します。

デルトロは、ILMの協力の下、怪獣(映画の中でもKAIJUと呼ばれています)や怪獣と戦うロボット、イェーガーなどをデザインし、緻密な設定を作り上げていきました。

非常に魅力的な世界観ですが、配給を担当するワーナーブラザースは、デル・トロのアイデアを尊重し、最後まで支持しました。ハリウッドのエクゼクティブならKAIJUは止めてモンスターと呼べ!くらい進言するものですが、デル・トロはエクゼクティブに信頼されていたようで無用な戦いは起こりませんでした。

そして完成したのが大作「パシフィック・リム」です。
映画には菊池凜子が重要なキャラクターで登場します。そして怪獣がやってくるのは「デビルマン」や「エヴァンゲリオン」に明らかに影響を受けていることがわかります。イェーガーの操縦は「ライディーン」「バロム・ワン」「エヴァンゲリオン」のように神秘的です。ストーリーやキャラクター設定だけでなく映画のテーマなどにも日本映画やアニメの影響が強く感じられるのです。
ただし、この「パシフィック・リム」は日本映画やアニメのパクリではないのです。デル・トロ監督の独創的な世界観や演出により確実に日本オリジナルの作品を上回っているのです。大金をつぎ込んでるからこのような作品ができるというわけではありません。日本から影響を受けながらデル・トロは、本来日本人クリエイターが目指すべき未来を具現化してしまったのです。

これを悔しいとみるか素晴らしいと見るかは視聴者の心の問題です。私はとても感銘し、生きているうちにこの作品に出会えたことに喜んでいます。そして、日本人であることに誇りを感じました。

日本公開は8月です。できれば映画の前章となる「Year Zero」という漫画が発売されているのでそれを読んでから見るとさらに楽しめると思います。本作は3D版、IMAX版があります。是非IMAX 3Dでご覧下さい。

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Pacific Rim: Man, Machines & Monsters: The Inner Workings of An Epic Film
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死霊のはらわた [アメリカ映画(10s)]

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Evil Dead(2013)

ホラー映画史の金字塔である「死霊のはらわた」。この邦題はなんとかしてもらいたいものですが、ホラー映画としてだけではなく芸術作品としても素晴らしい映画です。この映画が遂に2013年にリメイクされました。今回はこのリメイクに至るまでの出来事を記したいと思います。

オリジナル版についてはこのブログで既に紹介済みですので、詳しくはこちら(「死霊のはらわた」1981)をご覧ください。
この記事でも記していますが、「死霊のはらわた」リメイク版は2006年頃公開の予定でした。

1981年製作の「死霊のはらわた」オリジナル版は、世界的に大ヒットし、ビデオマーケットの拡大と共に大きな利益を上げました。これに目を付けたプロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスが出資を申し出てパート2である「Evil Dead 2 Dead By Dawn」(邦題「死霊のはらわたII」)が制作され、さらに大ヒットしました。パート2は、オリジナルのリメイクともとれる作品で、予算に余裕が出た分クオリティがアップしているのと、ライミのコメディ要素が増していて楽しめるエンターテイメント作品に仕上がっています。反面、スプラッター的ホラー要素は減ってしまっています。このパート2も世界的に評判が良く、続いて続編となるパート3「Army of Darkness」(邦題「キャプテン・スーパーマーケット」)が制作されました。邦題は論じる必要がないほど適当に付けられ作品がかわいそうですが、映画自体は、主人公アッシュが戦うダークファンタジーとなりファンにも喜ばれる大作に仕上がっています。

「死霊のはらわた」3部作のヒットにより、サム・ライミ監督はメジャー監督としての道を歩んでいきます。1990年の「ダークマン」では、エンターテイメント映画に進出します。コメディとサスペンスを絡めた独特の演出が話題となりサム・ライミという名前も徐々に知られるようになっていきました。レオナルド・ディ・カプリオ主演の西部劇「クイック&デッド」も素晴らしく、「死霊のはらわた」のようなスリリングなカメラワークとダイナミックな演出が光っていました。
しばらくインディーズ系のスタジオとの仕事を続けてきましたが、メジャースタジオのひとつSONYが手がけた「スパイダーマン」(2002年)で大ブレイクします。今までの彼の作品で培ってきた演出方法と撮影技術をベースに大金を投入して作った作品ですが、ライミとしてはいつも通りに映画制作を続けて、その延長線上にたまたまあった作品です。彼にとっては大作であろうが低予算映画であろうが同じスタンスで作品に取り組んでいました。しかし「スパイダーマン」の大ヒットによりSONYは、続編のオプション契約を行使します。シリーズ物として3作目まで制作にGOサインが出たのです。この契約によりライミはしばらくの間、大作映画「スパイダーマン」に専念しなければならなくなりました。
彼が楽しみにしていた「死霊のはらわた」のリメイクという企画はしばらく凍結することになります。そしてより自由な映画作りが出来る小さい作品制作もできなくなりました。製作費100億円を越える映画作りはとても大変です。スタジオ・エクゼクティブが勝手な意見を監督に要求してきます。興業成績という大きなプレッシャーもありますし、キャストやスタッフへのケアも必要です。自分の意見はほとんど通らず、自分が望んでいないキャストが入ってきたり、納得のいかないCGを我慢しなければなりません。気軽に観客を楽しませる映画を作っていきたいライミは、「スパイダーマン」で葛藤します。
その後も「スパイダーマン」シリーズ自体は大ヒットを続けていきます。収入は増え、大金を手にしたライミは、そある決断を下します。彼自身のクリエイティブを優先するため、契約が切れる「スパイダーマン3」で監督を降板してしまいました。SONYとしてはパート4以降も制作をするつもりでしたが、ライミはより自分の作りたい映画作りに没頭したかったのでしょう。

「スパイダーマン3」の後は「死霊のはらわた」のリメイクを再始動させつつ2009年に「スペル」を製作し、公開しました。「スパイダーマン」シリーズでライミを知ったファンは、この映画を見て驚いたことでしょう。あまりに地味でダークな内容に。「スペル」は、ライミの元々持っている「死霊のはらわた」の世界に近いホラー映画でした。ライミは、「スパイダーマン」という呪縛から解き放たれ、自分が作りたい映画を作りました。今後はエンターテイメント大作を監督して資金を稼ぎながら、自身では自分が作りたい映画を制作し、時には監督し時にはプロデュース業にまわり若手の育成を行っていくようです。

「死霊のはらわた」は、元々ライミ自身が監督しリメイクするという案があったようです。「スパイダーマン」で忙しくなった以降、プロデューサーとしていくつかのホラー映画を成功させた経験から、若手監督に演出するという方向にシフトしました。ライミはオリジナル版の時から仕事をしているブルース・キャンベル(オリジナル版の主役アッシュ)とロブ・タパートの3人でプロデュース・チームを作ります。監督捜しが難航する中、プロデュース・チームはYOUTUBEで興味を引く短編を配信している若いチームを発見します。ウルグアイのフェデ・アルバレスです。広告業界で働いてきたアルバレスは、2009年に300ドルの予算で作った短編映画「Panic Attack !」をYOUTUBEで配信します。この映像が話題となり、それをライミ達が見て白羽の矢を当てたのでした。
アルバレスにアプローチしたプロデュース・チームは早速ミーティングに入りました。そして彼に「死霊のはらわた」のリメイクを任せることにしたのです。

インタビューによると、アルバレスはオリジナル版にそれほど興味を持っていなかったそうです。しかしミーティングを重ねするちにライミはプロデューサーとしてそれほど口を出さないことがわかり、自分たちがある程度自由に作品作りが出来るのではと思ったそうです。ライミは「スパイダーマン」で経験したことを活かし若手映像作家にクリエイティブ・フリーダムを与えたのでした。

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そして制作されたのが2013版「死霊のはらわた」です。
まずオリジナルのストーリーをベースに脚本に改変が加えられました。そしてライミが持っていたコミカルな演出はなくし、よりリアリティのある方向に演出をシフトすることになりました。キャストはオリジナルと同じように無名な俳優が登用されます。そしていよいよ撮影が始まりました。
結果、完成した作品は、オリジナルを離れアルバレスの新作のように仕上がっています。オリジナルへのオマージュはいくつか見られるもののオリジナル版のファンのおくはがっかりした出来映えです。特に、必要のない舞台となる山小屋の設定や、主役の麻薬更生プログラム、メインキャラクターが途中で交代する、謎の怪物など、オリジナルが素晴らしかっただけに、新たに付け加えられた要素が邪魔になってしまっています。
やはりライミとオリジナル版を尊敬する若手監督が演出すべきだったと思わざるを得ません。

★★★★★注意! ここからネタバレここまで★★★★★


リメイク版は、アメリカで興行的に成功します。公開週の興業収入No.1になってしまったのです。これには2つの要素が含まれます。ひとつは誰もが知っている映画史に残る名作をリメイクしているということです。タイトルの知名度は抜群です。そしてオリジナルのファンが沢山います。オリジナルのアップデート版なら誰もが興味を引くでしょう。ふたつめは、オリジナル版を知らない若い映画ファンが飛びついたことです。激しいホラー描写に若者は驚き喜びました。そして彼らは「死霊のはらわた」を新しいと評価したのでした。

そして、この大成功を受けてふたつのプロジェクトが動き出しました。
2013年版「死霊のはらわた」の続編の制作とオリジナル版「死霊のはらわた」パート4の制作です。この2つのプロジェクトが実際に成立するかはまだわかりませんが、順調に進んだ場合、2013年リメイク版はアルバレス・チームが中心に動き、若い客がついて行くでしょう。オリジナル版のパート4はサム・ライミが中心として動き、オリジナルのファンが付いていくのではないでしょうか。どちらにも積極的に参加するのはブルース・キャンベルでしょう。

今後もこのフランチャイズがどう発展していくのか楽しみです。

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グリーンゾーン [アメリカ映画(10s)]

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Green Zone (2010)

アメリカの起こしてしまった大失態を暴く問題作を紹介します。

世界的にベストセラーになっている「A Young People's History of the United States」という本をご存じでしょうか?日本では「学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史」というタイトルで翻訳版が発売されています。
この本には、今まで語られていなかったアナザー・サイドのアメリカ史が書かれています。というより今まで知られていたアメリカの歴史は嘘の歴史で、真実の歴史を初めて文章化した本だとも言えます。
その本の最後の章に映画「グリーンゾーン」が描く内容についての記載があります。

アメリカによる、2003年に行われた「イラクの自由作戦」のことです。このイラク戦争は、イラクに他国を脅かす大量破壊兵器が隠されているという確実な情報を元に行われた戦争でした。しかし、それより10年ほど前から国連は何度もイラクを視察していて、大量兵器は見つかっていませんでした。この戦争について、国連のスタッフや知識のあるマスメディアは、疑問を示しました。しかし、2001年の9.11テロによる感情的なアメリカ国民は、冷静さを失っており、ブッシュ大統領を全面的に支持し、本来は9.11テロとは全く関係のないイラクに侵攻していったのです。

当時、我々も大量破壊兵器がイラクにあるんだったら、直接9.11テロに関係なくてもイラクをたたいておいたほうが良いと思ったのです。日本のマスコミは自分たちでろくに取材もせず、ロイターやCNNからの情報を訳して放送しているだけなので、日本国民のおおくは、アメリカ国民と同じように国家の判断に従ったのでした。

しかし、この後とても恐ろしいことがわかりました。
大量兵器は存在しなかったのです。

この事実は、ひっそりと報道されました。なので、日本ではそれほど大騒ぎにはならなかったのですが、よく考えるととんでもないことです。近代史においてここまで国家が国民、いや全世界で生きている人々に対し間違いを伝えるという事件があったでしょうか?

さらに驚いたことに、大量破壊兵器が存在するという情報は、そもそもアメリカ政府がねつ造していたという可能性があるという事実が明るみに出てきたのです。
そう、イラク攻撃のためにアメリカ政府は世界中に嘘をついていたのです。

これによりイラクでは民間人数千人が命を落としました。精度の高いミサイルを使っているので、民間人の巻き添えは最小限ですというアメリカの発表も嘘で、バグダッドでは、家族が休暇宿泊していた観光ホテルが爆撃され、さらに爆撃機はそのホテルに戻ってきて攻撃を加えました。

この驚くべき事実は、はるか昔のお話ではなく、つい数年前に起こったのです。
平和ぼけ日本では、こんな世界史に刻まれるべき大問題はほとんど報道されず、おおくの日本人は知らないこととなっています。

前置きが長くなりましたが、映画「グリーンゾーン」のお話です。
監督のポール・グリーングラスは、アメリカが犯した「歴史上最大の嘘」を映画化したいと思っていました。映画という手法を使えば、この酷い出来事の真実を知らない人々にも事件を知らせることが出来るのではないか、と。ただし、ドキュメンタリーを作ってもそれほどおおくの観客は獲得できないですし、話題にもならないでしょう。グリーングラスは、ドラマ性のある映画で、真実を伝えたかったのです。

取材を始めるとワシントン・ポスト紙の元バグダッド支局長、ラジブ・チャンドラセカラが書いた「グリーンゾーン」という本に出会いました。グリーングラスは、この本をベースに映画を制作することを決意し、さらに取材を進めていきました。
ご存じの通り、グリーングラスはイギリス人で元ドキュメンタリー映画の制作者です。彼は取材は得意で精力的に動きます。映画の重要なファクターはストーリーテリングです。事象が羅列されるのではなく、登場人物に感情移入できて、メインキャラクターがドラマ的な展開を行わなくてはなりません。グリーングラスは主人公となるべきモデルを探します。そして遂にモンティ・ゴンザレスという軍人をみつけます。ゴンザレスの任務は、イラクで大量破壊兵器が存在すると思われる場所を捜索することでした。しかし、いくら探しても兵器は見つからないのです。そしてだんだん何かがおかしいと思い始めます。

ゴンザレスの体験は、グリーングラスも私たちも疑似体験できます。
イラクに大量破壊兵器がある→なんとか排除しなければ行けない=世界平和を願う→兵器がないぞ?=疑問&混乱
映画は、その真相を暴いていくのです。

グリーングラスは、「ボーンス・プレマシー」と「ボーン・アルティメイタム」で一緒に仕事をしたマット・デイモンに声をかけます。デイモンこそが主人公を演じられる役者だと監督は確信していたのです。デイモンは、直ぐにこの企画にサインをします。そして映画化が具体化していきます。制作出資はボーン・シリーズと同じ会社です。配給も同じです。制作過程では、メンバーが同じなのでボーン・シリーズの第4作目が作られていると思われていましたが、実は全く違う映画でした。

グリーングラスは、「ユナイテッド93」、ボーン・シリーズで確立したリアリズムを徹底するため、プリプロダクションを綿密に行い、まるでイラクの最前線基地にいるような映像を作り出しました。勿論イラクで撮影しているわけではなく、スペイン、モロッコ、イギリスで撮影され、CGによってイラクを作り出しています。
そして遂に「グリンゾーン」は、リアリティのある戦争サスペンス映画として完成します。映画としてとても高いレベルで完成した素晴らしい作品となりました。

結果、マット・デイモン主演の戦争アクション映画にみえるこの映画は「アメリカの大嘘」に興味のない映画ファンを取り込むのに成功します。

「グリーンゾーン」とは、イラクにおける安全地帯という意味です。でも、この映画を見終わると我々はグリーンゾーンにいる嘘をついたアメリカに荷担していることに気づくでしょう。そして、そういう自分に驚き考えを改めなければいけないと思うかもしれません。

ただのアクション映画だと思っていると、それ以上深い深いテーマが刻み込まれているグリーングラスらしい映画です。

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学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史〈下〉1901~2006年

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