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スカイウォーカーランチ 1/2 [映画会社]


Skywalker Ranch Tech Building

  今回は、作品を離れて映画が作られるスタジオを紹介します。

  今、私が仕事で滞在しているのが、ルーカスフィルムの本社があるスカイウォーカーランチです。この名前には2つの意味が込められています。1つは、ジョージ・ルーカスが、現在の地位を得るに至った「スターウォーズ」の主人公の名前を付けていること。もうひとつは、ここは「スタジオ」という名称でなく「ランチ(農場)」だということです。

  スカイウォーカーランチの場所は秘密とされています。そして内部の撮影は制限されているため、どこにあるのか、そしてどんな施設なのかはベールに包まれています。実は、スカイウォーカーランチはサンフランシスコから車で1時間程北に行った山の中にあり、外からはどう見ても農場にしか見えません。我々も住所を知らなければ、通り過ぎてしまう程地味なゲートが道路沿いにあるだけなのです。

<ゲート>
  入り口からは内部を伺うことはできず、ただ古い木でできたゲートがあるだけです。車でこのゲートに近づくと、どこからか声がします。よく見ると、木の脇の石の中にマイクとモニターが仕込まれていて、ゲートの周囲にある木々には何台ものカメラが据え付けられているのです。普通に通りかかったら、ただの鄙びた農場の入り口にしか見えませんが、実はハイテクを駆使したセキュリティシステムで守られていたのです。本人の認証が終わると、木のゲートが自動的に開きます。当然自分で開けるのかと思ったら、これも機械仕掛けになっているのでした。

<警備&消防>
ゲートを入ると暫く山道が続き、白い小さなセキュリティオフィスが見えてきます。このオフィスにはルーカスフィルム所属の警備員が常駐しており、さらに厳しいチェックを受けます。この警備員の服装がなかなかかっこいいのです。濃紺の警備員(ちょっと山岳レンジャー風)を来ているのですが、腕にはX Wingがデザインされたワッペンが張ってあります。こんなところまでスターウォーズカンパニーの精神が受け継がれているのです。

  セキュリティを通過すると、すぐ消防署が見えます。消防署は、スカイウォーカーランチ所属の消防部隊で、消防車にはシルバーでSKYWALKER RANCHというロゴが入っており、隊員の服装も凝っています。

<宿泊施設>
  消防署の隣は、2階建ての白いアーリーアメリカン風の建物です。ここは「The Inn」と呼ばれる宿泊施設です。スカイウォーカーランチで仕事をする外部スタッフのみが宿泊を許されるホテルで、部屋は全部で20程あるそうです。各部屋は、ほとんどがスイートで大きなリビングとベッドルームが付いています。部屋によってはベッドルームが複数付いていて家族で長期間滞在も可能になっています。部屋にはひとうひとつ名前が付いています。これは、ジョージ・ルーカスが影響を受けた人から付けられているそうです。例えば、オーソン・ウエルズ、フランク・キャプラなどなど。そして部屋はその名前にちなんだ内装になっているのです。例えば黒澤の部屋は、和風にまとめられています。畳のような部屋、家具は日本からのアンティーク、黒澤明がスピルバーグに送った本物の絵も飾ってあります。ジョン・フォードの部屋はまるで西部劇映画から抜け出してきたようなウッディな作りです。アンセル・アダムスの部屋は質素ですが、飾ってある写真はアダムスが生前自ら現像したものなのです。こんな部屋に泊まることができます。
  ホテルには至る所にパブリックスペースがあり、宿泊者は夜になるとそこに集まりお酒を飲んだりテレビでスポーツ観戦をして楽しみます。

<メインハウス&テック・ビル>
  「The Inn」と消防署からさらに奥に進むと、急に視界が開けます。そこは大きな谷になっていて、周囲は高い山に囲まれています。谷を見ると、建物が2つ、そしてかなりの数の牛や馬が放牧されています。建物のひとつは白い住居風建物で、もうひとつは納屋(写真)のようです。実は住居に見えるのがルーカスフィルムのヘッドクォーターで、ジョージ・ルーカスはここで仕事をしています。納屋に見える建物はスタジオでスカイウォーカーサウンドが入っています。敷地は広大で、建物以外はただただ芝生が生えている土地とぶどう畑が延々と続いているだけです。

ジョージ・ルーカスは、この土地を購入する際、ストーリーを作りました。それはヨーロッパからサンフランシスコに移り住んできた移民家族が作った農場という設定です。このストーリーはかなり細かく作られており、その設定に沿って建物が建設されています。よって、外見だけ見ると、たしかにのどかな農場にしか見えないのです。

住居風建物は、そばに近づくと巨大です。レッドウッドで建てられた木造の建物です。かつてこの辺り一帯には沢山のレッドウッドが生えていたそうですが、伐採がすすみ、今は貴重なものになってしまいました。ルーカスは、レッドウッドで作られた橋が解体される情報を聞きつけ、この橋を解体したときにでた廃材を購入しこの建物の資材にしました。中はちょっと赤みがかった見事な壁で、とても快適です。廊下には「インディ・ジョーンズ」の帽子や鞭、「スターウォーズ」のプロップなどがさりげなく飾られています。

納屋風建物は、最新のデジタルスタジオです。外観はレンガ造りの大きな建物ですが、中はハイテクビルです。フォーリースタジオが2つ、プリミックススタジオが4つ、大きなスクリーニングルームが1つ、フルオーケストラの録音が可能な巨大スタジオが1つ、そしてスタッフ用の小さな作業スタジオが20個くらいあります。ここで、「スターウォーズ」はじめ多くの名作が作られたのです。廊下には、ルーカスが収集した本物のアンティークポスターが沢山貼られています。

<厚生施設>
ランチ内にはスタッフ用の更生施設があります。プール、スクアッシュ・コート、プールなどがあります。

「スターウォーズ」で得た利益を自分のものとせず、ルーカスは土地を購入し、スカイウォーカーランチを作り上げました。そして、その中に最新のCG制作会社、音響制作会社、アニメ会社(現在のピクサー)などを作り上げ、現在では、映像業界をリードする企業に育て上げたのです。そのほとんどの機能は、スカイウォーカーランチには収まりきらなくなったため新たに2005年にプレシディオオフィスが造られました。しかしランチは建設同時の姿を残したまま、今もルーカスの仕事場として隠された山の中にひっそりと佇んでいるのです。


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コメント 9

coco030705

こんにちは。
スカイウォーカーランチ、素敵な建物ですね。こんなところでお仕事を
されるなんて、すばらしいですね。普通の人がめったに入れないところ
でしょうから。
ジョージ・ルーカスが巨万の富を独り占めしないで、映画業界の発展の
ために色々な会社を立ち上げたのは、賞賛に値すると思います。
こういう人が居てこそ、いい映画を作り続けることができるのだと思います。
by coco030705 (2006-03-23 16:02) 

neko

ジョージ・ルーカスは映画がすきなのがよくわかります。
そのため稼いだものをさらに映画に還元している姿。
いい映画がさらにできることを期待します。
by neko (2006-03-23 20:39) 

サダー

夢のようなところですね~~。
アメリカ人にありがちな私腹にいかないルーカスには映画作りに対する愛情を感じます。

若かったら目指したくなるところです。
 警備員で! d( ̄  ̄;)
by サダー (2006-03-24 01:52) 

DSilberling

cocoさん、nekoさん、サダーさん、こんにちは。スカイウォーカーランチからのコメントです。
ちょっとした映画館よりも大きいステージにとても素晴らしい機材が並び、「スターウォーズ」の音響チームが私たちの作った絵に音を付けてくれています。日本と違うのは、音に演出が施されていることです。かすかに響く低音、スピード感のある風切り音などを入れお客さんが明確に気づかないですがストーリーのウネリを作っています。

食事は、様々なメニューがありますが、我々日本人スタッフのために和食っぽいメニューが追加されています。作業するスタジオにはエスプレッソマシーン(コッポラからの贈答品)、豊富なお菓子、フルーツがふんだんに用意されています。このあたり、スタッフの心配りには感心します。

警備員としてでも働きたい場所であることは間違いないです。
by DSilberling (2006-03-24 11:44) 

coco030705

DSilberling さん、かっこいいですね~♪スカイウォーカーランチからの
コメントなんて!!
「スカイウォーカーレポート第2弾」をぜひ、お願いします☆(^^)
by coco030705 (2006-03-24 15:15) 

boribori

初めまして! 子供の頃から憧れの場所です。ルーカス氏は何事にもストーリーや世界観を作るところがホントに素敵ですよね。
いつか仕事で行ってみたい場所です。第2弾レポート期待しています。#秘密をばらさない程度に(笑)
by boribori (2006-03-25 00:27) 

DSilberling

cocoさん、boriboriさん、早速第2弾アップしましたよ。
by DSilberling (2006-03-25 07:06) 

TaekoLovesParis

今回は1,2と連作だったのですね。第二弾から読んでしまいましたが、違和感ありませんでした。
この写真がレッドウッドの廃材のスタジオなんですねぇ~。外観からはハイテクのデジタル装備スタジオには見えないです。どこかの田舎の風景画のようで。
ルーカスゆかりの人にちなんだ名前の部屋、ひとつひとつ、見学したいです。
オーソン・ウェルズの部屋は?フランクキャプラだったら、何をメインに?って
想像するのも楽しい。
いつか、ここをたずねる日を目標に働こう。。
by TaekoLovesParis (2006-03-25 09:58) 

クロロ

広大な施設なのに外部からは判らない、という作りそのものが想像できません…やはりアメリカは大きいですね(笑)
「インディー・ジョーンズ/最後の聖戦」で、ショーン・コネリーをサイドカーに乗せて逃げるシーンをそのランチで撮影したというのを当時のNHKスペシャルで見ました(^^)v
素晴らしい職場で仕事をされているんですね!いつか私もこのランチに行って…記念撮影したい!(これが関の山-といっても、場所が判らないんだった(笑)
by クロロ (2006-04-12 22:11) 

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